過ぎ行く日々の中で、何の変化も起こせない自分は、結婚の挨拶の言葉に背を向けているのかもしれない。
風邪をひいて会社を休んだ、家族が会社に行っているのをいい事に録画しておいた探偵ナイトスクープを見る。
その中で沖縄出身の依頼者が関西で同棲している彼氏をダンプの運転手をしている強面な、お父さんに紹介したいがお父さんがヘソを曲げてしまったというエピソードがあった。
石田探偵が依頼者と、その彼氏に話を聞くとどうやら彼は吉本所属のピー山ピー之助さんというピン芸人で、近々東京の吉本に移籍することが決まっているそうだ、そして依頼者の彼女は彼と一緒に東京に行く決心を固めた模様。
依頼者の話では沖縄生まれ以外の男と結婚させないと、お父さんが断言していたようだが、石田探偵と涙ながらに説得する依頼者2人の思いが通じたのか、お父さんも、まだ世間の大多数も知らないであろう、芸人に一人娘を託す決心をしたのだ。
最後の方で父さんが芸人でダメならダンプのドライバーとして使うからな、という厳しいながら愛のある言葉が印象的で、何をなかなかほろりとさせられた。
そんなほろりとしているうちに、私は結婚の挨拶をする時に嫁さんの両親に約束した言葉を忘れてはいないかと思い出した。
「私はまだまだ未熟ですが、娘さんを必ず幸せにします。」こんな大それたことを今まで言った事がなかった、そしてあの時は固い決心でそれを実現しようと思っていた。
しかし、現実はどうだろう。
仕事で疲れたとか、ストレスが溜まるとかで副業や勉強もせずに寝ていたり、ゲームをする事がダラダラと続く毎日、心のどこかでこのままこの生活を続けて良いのだろうかと思いながらずっと負のルーティーンを繰り返している。
こんな事でいいのだろうか、このまま明日、俺が死んだら家族に何を残せるだろう、今のところ考えられるのは死亡保険の2500万円ぐらいだ。
新婚旅行にも行ってないし、結婚式もまだ挙げていない、シンプルに言えば資金不足と準備不足、今になって自分にさえ投資していないとこうなるのかと痛感した。
ニートから正社員になって結婚できたのだから、万々歳だ、と私も思っていたが、それで良しとしてしまってはただのラッキーボーイなのかも知れない。
どうせラッキーボーイと呼ばれるなら小金持ちになってから言われたい。
嫁さんにふと、夢は?と聞いてみたら専業主婦という答えが返ってきた。
それなら俺がもう少し頑張れば田舎では彼女の
夢を叶えられるかもしれない。
今日はしっかり休んでまた明日から頑張ろう…。